2nd IT Implant Symposium

生涯使用できるインプラントをめざして

ベルサール八重洲 東京
2023年6月4日
9:00 - 16:00

Speakers

アイウエオ順

飯島 俊一

飯島 俊彦

小田 由香里

加来 敏男

小嶋 一史

佐藤 隆太

柴垣 博一

原 俊浩

森永 大作

2nd IT Implant Symposium

第二回のシンポジウムを開催し、また皆様と貴重な時間を共有できることを嬉しく思います。

登録は下記の REGISTER NOW をクリックして下さい。

2023年6月4日 日曜日

9:00 – 16:00

〒103-0028

東京都中央区八重洲 1-3-7

八重洲ファーストフィナンシャルビル 2F

 歯科医師 : 30,000円

大学関係歯科医師: 15,000円

歯科技工士: 15,000円

歯科衛生士 : 15,000円

振込先:

三菱UFJ銀行 木更津支店
店番: 671

口座名: アイ・ティー株式会社
口座番号: 0257225

(個人名での振り込みをお願い致します。)

タイムスケジュール

9:00
開始
9:05
飯島 俊彦

演題:軟組織移植を必要としない新しい軟組織増生法:Modified Tent Technique

9:30
小嶋 一史

演題: 審美部位におけるITインプラントの特性を活かした術前シミュレーション

9:55
森永 大作

演題: ITインプラントがもたらす可能性と臨床的意義

10:20
休憩
10:45
小田 由香里

演題: 長期データから見出された IT Implant コンセプト

11:10
佐藤 隆太

演題: 骨格性上下顎前突に対しITインプラントを用いた一症例

11:35
加来 敏男

演題: IT Fixture 2.2-2.9の利点とIT Implant Drillの有効性について

12:00
昼ごはん

お弁当でます

 

13:00
原 俊浩

演題:  ITインプラントの有用性 〜φ2.2mmを中心に〜

13:25
柴垣 博一

演題:下顎両側小臼歯先天性欠損歯にITインプラントを使用した一症例

―OsseointegrationからSoft Tissue Seal ―

13:50
休憩時間
14:05
飯島 俊一

演題: インプラント治療を長期成功に導くITインプラントの使い方

16:00
終了

飯島 俊彦

略歴

2008 年   東京歯科大学歯学部 卒業

2009 年   東京歯科大学大学院インプラント学研究科 入学

2013 年   東京歯科大学大学院インプラント学研究科 終了

2016 年   ITI scholarとしてUniversity of Zurichにて留学

公益社団法人日本口腔インプラント学会 専門医

演題:軟組織移植を必要としない新しい軟組織増生法:Modified Tent Technique

抄録:インプラント角化歯肉の必要性は長く議論されている。しかしエビデンスは確立されていなくても、インプラント臨床に携わっている医療従事者なら下顎臼歯部のインプラントが遊離歯肉の影響によりセルフケアが困難になっている状態に遭遇することは少なくない。
 一方でインプラント周囲組織に角化歯肉を増大させるFGGやCTGなどのソフトティッシュマネジメントはインプラント臨床において術式の難易度が高いと言われている術式の一つである。
今回の発表ではオリジナルの術式 ’’Modified Tent Technique’’ により歯肉移植を行わないでインプラント周囲に非可動の角化歯肉を増生する方法を発表する。
本稿を通じて、インプラント周囲組織に求められる軟組織について皆さんと考察していきたい。

小嶋 一史

略歴

和歌山県橋本市開業
日本口腔インプラント学会会員
SGIC理事

演題: 審美部位におけるITインプラントの特性を活かした術前シミュレーション

抄録: ITインプラントのスクリュー・セメントを介しない補綴システムと細い直径のボディに魅せられ、 臨床応用をはじめてから6年余りになる。当初は重度に萎縮した顎堤への低侵襲治療として、ITイ ンプラントを用い良好な治療結果を得ていた。最近はITインプラントを症例の難易度に関わらず、 ほぼすべての症例で使用している。これはリスクを軽減し長期安定するインプラント修復への可 能性を感じているからである。しかし、従来のインプラントシステムからの知識と経験だけで、IT インプラントを単に細い直径のインプラントとして使うのではなく、長期安定させるために既存 骨内埋入、バイコーチカルサポート、咬合への配慮等を考慮すべきであると思われる。今回、審 美部位のインプラント修復を行う際のITインプラントの特性を活かした術前シミュレーションで 考慮していることについて述べ、審美領域におけるITインプラントの有用性も提案したいと思う。

森永 大作

2000 年   福岡歯科大学卒業
2000 年   久留米大学医学部歯科口腔外科入局
2005 年   久留米大学医学部大学院修了
2005 年   医療法人 森永歯科クリニック勤務
2018 年   医療法人 森永歯科クリニック理事長
日本口腔インプラント学会専門医 代議員
九州インプラント研究会(KIRG)会員

演題: ITインプラントがもたらす可能性と臨床的意義

抄録: 現在インプラント治療は、補綴の重要なオプションとして世界中で行われるようなっている。それに伴い表面性状の違いや接合部の形態など、組み合わせると、多くのインプラントシステムが誕生しており、口腔内で長期にわたり安定して機能させるためには、患者の診断結果に沿って、最も適切なインプラントシステムを選択することが重要である。

当医院では昔からストローマンインプラントシステム(テッシュレベル、ボーンレベル)をメインで使用してきているが、細くても十分な強度があり、容易に上部構造が着脱できるITロックに魅力を感じ5年前にITインプラントシステムを導入した。今回は、これまでに私が経験したITインプラントを使用する患者の選定方法や、使用する中で気づいたこと、苦慮したこと、また、発生したトラブルについてどのように対応したのか、など症例を供覧するとともに、ITインプラントがもたらす可能性と臨床的意義について検討する。

小田 由香里

略歴

2011 年   東京歯科大学歯学部卒

2016 年   東京歯科大学大学院歯学研究科(口腔インプラント学専攻)修了

2019 年   東京歯科大学口腔インプラント学講座助教

所属学会

日本口腔インプラント学会 指導医専門医

日本歯周病学会 認定医

日本歯科補綴学会 認定医

演題: 長期データから見出された IT Implant コンセプト

抄録: IT Implant の特徴として、①インプラント-アバットメント接合部のエクスターナルテーパーロック構造および、その機構により実現可能になった、②細いインプラント直径、が挙げられる。エクスターナルテーパーロックの原型である、テーパー嵌合を用いた術者可撤式テレスコープ固定性上部構造は、長期経過における合併症発症において良好な臨床成績をもつ(Mori COIR 2019, Oda COIR 2021)。また、既存のインプラントでは、骨幅が狭い日本人において対応できないことが多い。さらに、インプラント周囲骨が頬側から経年的に生理的に吸収する(Oda JPD 2021)ことが明らかとなり、そのような変化に対応できず、生物学的合併症を引き起こしているケースが多く存在する。そのため、この変化に対応可能な細いインプラントが必要である。合併症に着目し、長期データを解析して開発されたIT implantは非常に有用であると考える。

佐藤 隆太

略歴

2003 年   東京歯科大学卒業

2004 年   アイ・ティー・デンタルクリニック勤務(千葉県袖ケ浦市)

2008 年   日本口腔インプラント学会 認証医(現専修医)

2010 年   東京歯科大学大学院歯学研究科修了

2012 年   日本口腔インプラント学会 専門医

2014 年   東京都品川区にてSRデンタルクリニック開院

演題: 骨格性上下顎前突に対しITインプラントを用いた一症例

抄録: 上下顎前突に対する治療は矯正を用いることを第一選択としているが、今回ITインプラントを用いて良好な経過を追えている一症例を報告する。患者は26歳、男性。見た目の改善をインプラントで治したいことを主訴に来院。矯正治療の提案をして再三勧めたが、許容できなかった。ITインプラントの特徴は細く堅牢なこと、セメントレスデザインで上部構造の脱着が容易であるため、メンテナビリティーが高く予知性が高い。抜歯後の頬側骨吸収を待ちアーチを小さくし、天然師よりも細いインプラントを舌側に配置させることで前突する顎堤と歯列をコントロールした。治療経過2018年8月初診、同年10月抜歯、2019年3月上顎及び下顎に4本ずつガイデッドサージェリー。同年8月プロビジョナル装着、2020年4月ファイナルレストレーション装着, 装着後約3年が経過しているが、口腔内写真やパノラマX線写真では著変なく経過は良好である。

加来 敏男

S54年3月  九州大学歯学部卒業

S58年3月  九州大学歯学部大学院修了

S58年4月  九州大学歯学部第2補綴科助手

S62年5月  加来歯科開業(3代目)

H19年4月    医療法人 加来歯科理事長

H18年4月〜23年3月 大分県歯科医師会学術担当理事

H28年4月〜33年3月 九州大学歯学部義歯補綴・インプラント

科臨床教授

H28年6月〜 日本口腔インプラント学会理事就任(4期目)

所属学会

日本口腔インプラント学会 専門医・理事

日本補綴歯科学会会員

日本歯周病学会会員

日本臨床歯周病学会 認定医・歯周インプラント認定医

日本顎咬合学会会員

日本レーザー歯学会会員

日本デジタル歯科学会

その他

ITI フェロー

九州インプラント研究会 (KIRG) 正会員

 ITI SC 東九州 ディレクター

演題: IT Fixture 2.2-2.9の利点とIT Implant Drillの有効性について

抄録: 私はストローマンユーザーで、100%ガイド手術を行なっていますが、欠損部の骨幅や歯間が狭くて通常のインプラント埋入が不可能な症例にIT Fixture 2.2-2.9を使用しています。先欠部位に非常に有効ですが、下顎の場合はほとんど皮質骨のため、埋入窩の形成が非常に困難です。しかしながらIT Implant Drillは薄い骨を正確に形成する細いドリルが充実しているので、順番に使っていくことで正確な形成が可能となります。またドリルシステムはストローマンガイドシステムと同サイズなので、形成がズレやすい下顎のガイド手術にも多用しています。

下顎前歯先欠症例で、タッピングインスツルメントが両隣在歯の影響で先端まで届かなかったのに、無理に埋入しようとしてフィクスチャーネック部での破折を経験しました。飯島先生にお願いして撤去器具と長いタッピングインスツルメントを作っていただき、無事にリカバーできました。

今回はこのような私の経験を報告したいと思います。

原 俊浩

略歴

1993 年   東京歯科大学卒業

1999 年   オランダ・ナイメーヘン大学 客員研究員

2004 年   アイ・ティー・デンタルクリニック勤務

2010 年   原歯科医院 継承

2011 年   日本口腔インプラント学会 専門医

2012 年   九州インプラント研究会正会員

2012 年   ITI Fellow

2016 年   医)かしわの葉 原歯科医院 理事長

2017 年   日本口腔インプラント学会 指導医

2017 年   ITI日本支部公認インプラントスペシャリスト

2018 年   European Association for Osseointegration専門医

演題:  ITインプラントの有用性 〜φ2.2mmを中心に〜

抄録: GBRが世に誕生してから久しいが、主たるガイドラインの誕生を待っている一方で、近年ではNarrowやShort インプラントの性能も向上してきた。しかしながら、細いインプラントにはアバットメントやフィクスチャーの破折の問題がつきまとい、同じ直径のインプラントでもネジの太さによって破折が左右されると考えられる。昨今では、各社から特徴のあるインプラントが多々販売されている。その中でも特徴的なのがITインプラントであり、直径2.2mmの細いインプラントがラインナップされている。このインプラントはチタン合金からなり、ネジのない充実タイプであることから、強度的に優れていると思われる。さらに、アバットメントの締結は、エクスターナルテーパーロック形式となり、buttジョイントを有するインプラントにみられるマイクロリーケージがほぼ起こらないことも特徴の一つである。そこで今回は、直径2.2mmのナローインプラントを中心にITインプラントの有用性について述べたい。

柴垣 博一

略歴

1963年 愛知県豊田市出身

1989年 朝日大学歯学部卒業

1992年 柴垣歯科医院開業(神奈川県綾瀬市)

2000年 昭和大学歯学部解剖学歯学博士取得

 

[所属学会・学会資格・役職・資格]

日本口腔インプラント学会 専門医・指導医・代議員・医療安全管理委員

日本歯科医療管理学会 専務理事・認定医

日本顎咬合学会 認定医

日本歯科先端技術研究所 専務理事・認定医・指導医

演題: 下顎両側小臼歯先天性欠損歯にITインプラントを使用した一症―OsseointegrationからSoft Tissue Seal ―

抄録: 今やインプラント治療は社会に認知され、あたりまえに臨床に応用されるようになってまいりました。1960年代にインプラント治療が臨床応用され60年が経過し、その間、インプラントの形状、性状、術式、マテリアル等の研究が進み、現在もその開発が行われています。人は加齢とともに身体が衰え歯の本数も減少することは自然の摂理と言えます。その自然の摂理の中でインプラントがいかに生体と調和し長期に維持安定することが求められるといえます。決してインプラント治療を行ったことが負の遺産になってはいけないのです。そのためにはインプラントが生体に限りなく調和するシステムが付与されていることが重要になります。そしてメインテナンス時に容易に着脱ができ、また、インプラントが不要になった際には容易にインプラントが撤去できることも必要とされます。すなわ、様々な偶発症に対する対処ができるシステムがインプラントに付与されていることが必要といえます。本講演ではIT Implantの有用性と今後の展望を症例を通して考えてみたいと思います。

飯島 俊一

 

1978 年   3 月   東京歯科大学卒業

1979 年   4 月   東京歯科大学大学院(補綴学専攻)入学

1984 年 10 月   東京歯科大学大学院終了 歯学博士(補綴学専攻)

1991 年 12 月   アイ ティー デンタルクリニック開設

2011 年   4 月   東京歯科大学水道橋病院インプラント外来非常勤講師

2005 年   5 月   東京歯科大学臨床教授

役職 所属学会

東京歯科大学臨床教授

日本補綴歯科学会専門医 指導医

日本口腔インプラント学会専門医 指導医

演題: インプラント治療を長期成功に導くITインプラントの使い方

抄録: 2006年からITインプラントを使用してから、17年が経過しましたが、その結果インプラントの3つの合併症の解決、つまりインプラント周囲炎の問題、インプラントのメカニカルトラブルの問題、インプラント周囲組織の変化とくに骨の減少に対する対処法。さらに近年は、残存天然歯との共存についても解決を試みている。これらの問題解決により、ITインプラントによる治療がより長期の成功を納め、患者の口腔機能をより長期に健全に保つことができるインプラントとして機能していくと考えている。今回のシンポジウムでは、ITインプラントの特徴を生かし、インプラント治療をさらなる長期の成功を得る治療法について述べてみたい。